ぼくらはまちの探検隊



紫チーム

まちの時間をつかまえろ

紫探検隊の紹介

12月の6日の昼下がりのことだ。上原小学校に現れた謎の博士、ドクターむらまつから、8つの指令が下され、その1つを解くべく、紫チームが召集された。

「このまちには時間が隠されている。それをつかまえなさい」

これが、わたしたちの探検隊に渡された指令である!この指令をわたしたちはなぜか知らないが、2005年の6月までに解き明かさなければ、このまちから時間がなくなってしまう危険があるというからさあ大変だ。
それでは紫チームに選ばれた優秀な隊員たちを手短に紹介しよう。

しゅんや・・・彼は、わが隊の副リーダー。もっとも堅実で、集中力、強い好奇心など、かれほど頼れる副リーダーは他のチームにもいないだろう。

まっちゃん・・・ユーモアと行動力の隊士。彼はわが隊で最も動ける(動きすぎる?)人材だ。しかし、給食中は静かに読書にふけるという意外な面も見せる。

うっしー・・・紫チームのすご腕交渉人・うっしーの登場だ。彼は見知らぬ人にもジョークで語りかけ、やわらかな対応で情報を聞き出す。

あゆちゃん・・・一見静かなる乙女だが、1日で難しい地図が読み解けるようになるなど、そのフィールドワークの才能は底知れない。つねに周りへの気配りも忘れない才女である。

さとちゃん・・・物事にきちんと向かい合うことのできるわが隊の実務リーダー。その手際の良い作業っぷりも見事だ。

たにがわ隊長・・・紫チームの隊長。最初の日に、メガネ装着、マフラーくるくるで登場したばっかりに、上原商店街で小学生に出会うと「ヨンさま」と呼ばれる羽目に… 恥ずかしいのであまり呼ばないで。

第一回「どうやって時間をつかまえよう?」(2004年12月6日)

むらまつ博士からの指令が入った封筒を開けたしゅんやをはじめ、多くのメンバーが質問の内容にうなった。

「時間をつかまえるなんて、できないよ?」

時間をつかまえる…果たしてそんなことができるのだろうか?つかまえたら一体どんないいことがあるんだろう?わたしも隊員たちと頭を抱えた。

「きっと、まちに目覚まし時計とかが隠されているんだよ」

指令を読み解く中で、隊員たちは最初口々にこのようなこと言う。なるほど、非常にリアルな回答だ。目覚まし時計が隠されているって?なんだか時限爆弾みたいでおもしろいじゃないか!そう、そういうリアルな回答が大切なんだ!!誰だいその意見を言ったのは?それでいこうじゃないか!俺は美人のお姉さんのおうちにある目覚まし時計を探すことにするぜ!

「でも時計なんてたくさんどこでもあるぜ」

…そんなことを言うのはだれだー?
た、たしかにそうだ。なかなかやるじゃないか…。紫隊長として安易に賛成してしまったこと、つくづく反省だ。

少し沈黙が続く。目に見えない時間と、つかまえるという具体的な行動のイメージ。この二つを結びつけることは誰しも難しいことだ。

「次回、いくつか時間にまつわるものを見てみようか?そうしながら時間を捕まえる手立てを考えてみようよ。」

隊長は、苦しまぎれに隊員たちにこのように伝え、上原小学校を後にした。

うーむ、時間なんて本当につかまえられるのだろうか?そして時間が奪われてしまう前に、上原のまちを救えるのだろうか?宇宙戦艦ヤマトが宇宙へ出発する日のような、大きな使命に押しつぶされてしまいそうな、そんな紫チームであった。

時間をつかまえるまで、あと180日