ぼくらはまちの探検隊



赤チーム

このまちをよく知るための探検地図を入手せよ

二回目(2004/12/8):街へ

さて道に名前をつけるといえど、どうすればいいのか。何を手がかりにすればいいのか。


僕は一回目の授業の最後に、次までに隊員がそれぞれが何に注目して道を歩くのか考えてくるように言った。で、みんなが考えたキーワードは「自然」、「色」、「建物」、「動物」、「電柱」だ。いざ出陣。隊員たちが普段何気なく通っている道にも何か発見があるはず。それを見つけることができればこっちのもんだ。


手には、カメラ二台、写真用のデータシート、道の名前用のデータシート、それから地図、あと地図上に写真を撮った場所を記録するためのシール。僕らの担当区域は主に学校の周辺だ。手順としては、まずどの道に名前をつけるのかを決める。そしてそれぞれのテーマに沿った面白いものを発見した場合には手を挙げて隊長に報告し、カメラ担当が写真を撮り、地図上でその場所を表すところにシールを貼り、何を撮ったのかを記録する。そして同じ道を引き返しながら、みんなでその道のニックネームを考える。この方法で僕らは5つの道に名前をつけた。(うち一つは道ではなくて場所)。


一つ目は学校のすぐ前の坂だ。仲通りと谷道を結ぶ曲がりくねった坂道で、ちょっと傾斜がつよいためコンクリートの地面に丸い滑り止めの模様がついている。そのためすでに「丸坂」と名前をつけているメンバーもいた。
そんな中、坂の中ほどで藤波先生が奇妙な岩というか石のでっぱりを見つけた。しかもその場所は今は駐車場になっているけど、その前には立派な家があってあの戦国武将山内一豊の子孫が住んでたというのだ。(真偽のほどは確認中)へー。みんなその石というかコンクリートに興味しんしん。多分何かのしるしなんだろうけど隊長もよく知りません。すみません、勉強不足です、、、
それからみんなで道のニックネームをどうやってつけようかと考えながら同じ道を引き返していると通りがかりのおじさんが面白い話をしてくれた。
「この坂道はちょうど坂の下の谷のほうからの風の通り道になってて、しかもここはちょうど三叉路になっていて、つむじ風みたいなのがよくふくんだ」
なるほど、この坂は傾斜がきついから道の両側に擁壁がそびえていて、ほんとに風の通り道になっているみたいだ。一同感心。
でメンバーの一人が口にしたのは
「風がん坂」
「がん」が平仮名なのは「岩」と「丸」をかけているからなのは言うまでもない。最初にしてはなかなか上出来。


次は岸辺幼稚園の前の道に名前をつけることにした。
うちの隊には動物にとても詳しいメンバーがいる。鳴き声で小鳥の種類が分かってしまうというのだからすごい。その彼が大活躍したのがこの道である。仲通りと平行して一本裏側にあるこの道には樹木が多く、しかもいい感じに熟した柿がぶら下がってたりするものだから、ほんとにたくさんの小鳥がいた。彼によるとすずめはもちろん、ヒヨドリ、メジロ、ウグイスなどを確認。そして自然とついたその名前は
「小鳥の小道」。


三つ目は路地を挟んで「小鳥の小道」の向かい側の細い通りだ。この道はほんとちょっと現代とは思えないような雰囲気を残している。まずみんなが驚いたのがその入り口のところにあったコンクリート製のゴミ箱。隊員のみんなは初めて見ただろうな。しかもその先の道が細いこと、人ひとりやっと通れるぐらいである。まさに探検みたいってみんなおおはしゃぎ。
で、ついた名前が
「昭和一丁目通り」。


そしてさらにその奥の行き止まりのちょっとした広場のようになった場所があった。二階建ての家何軒かに囲まれたそこは車も入ってこないし、秋の日差しも心地よく、みんなで座り込んで休憩してしまった。そんな場所と知ってかヒマそうな猫が何匹か行ったり来たり。まるで昼寝の場所を探しているみたいだ。そこでついた名前が
「猫の集会場」。


そして最後は風がん坂の一つ隣の道で、同じく仲通りから下の谷道の方へと通じる道を探検。二時間近く歩いてみんなちょっとバテ気味。おなかも空いてきたしなかなか集中力が。なだらかな道の先に急な坂があって、そこからはジャーミーの塔がよく見える面白いみちだと思うんだけど・・・。で副隊長がひねり出した名前は
「奥の細道」。


みんなお疲れ様。